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カレンダーこぼれ話 vol.8「疫病祓いの小話たち」

こんにちは。

非常事態宣言が発令されたりと未だかつてない時代に生きているのを肌で感じる今日この頃です。
個人的には情報に耳を傾けすぎて憂鬱な気持ちになったり、考えすぎてしまったり。

そんな中、SNSで癒やしをくれたのが妖怪「アマビエ」。色々な方々がアマビエのイラストを描いたり、モチーフにした刺繍やお菓子など創作物を作ったり。
外出自粛の中、ネットの中で鮮やかに描かれる不思議な妖怪が心を和ませてくれました。

今回のこぼれ話では、いつもとは少し目線を変えて、話題になった妖怪「アマビエ」に加えて、さらに古くから日本に言い伝えられてきた「厄除け」「疫病除け」のモチーフについてご紹介していきたいと思います。


●アマビエ(アマビヱ)/アマビコ(海彦・尼彦・天日子など)

江戸時代に今の熊本あたりで目撃された半人半魚の妖怪。輝きながら海中から現れて、豊作や疫病の予言をしたと伝えられています。
疫病の流行の予言とともに、「私の姿を書き写した絵を人々に早々に見せてくれ」と告げて海中に帰っていったとか。

SNSでも取り上げられて話題になったアマビエですが、目撃記録がひとつしかない点、名前の意味が不明なことなどから、
同じ性質を持つ妖怪「アマビコ」ではないかともいわれています。

海中からの出現、疫病などの予言、絵を写して災いを逃れよという点が共通しているそう。

アマビコは頭から三本の足が生えた姿で、人間のような耳をして目は丸く、突き出した口をしているとか。
他に三本足の猿のような姿をしているとも言われています。

疫病を予言し、自身の絵を絵札にして人々を救済するように告げたそうです。

こうした「アマビエ」「アマビコ」など妖怪のブームは、天保、安政、明治に続いて令和が4回目の流行と言われています。
当時の人々も、願いを込めて絵を描いたりしたのでしょうか。なんとも貴重な時代に生きてしまったものですね…。

 

●フセギの行事「大ワラジ」
東京都無形民俗文化財にも指定されている「フセギノワラジ」ってご存じですか? 昔の人の履物の「ワラジ」です。

これは村境の場所にしめ縄を張ったり、ワラジを吊るしたりして疫病や悪霊が集落に入らないようにする行事のことです。
その中でも大ワラジは、三足分を片足として編み、それを吊るすことで「こんな大ワラジを履くほどの強大な者(神)が村にいるんだぞ!」と示して悪霊を退散させる意味合いがあるそうです。

 

●庚申(かのえさる・こうしん)
大阪市天王寺区の四天王寺や、奈良市ならまちには、疫病除けとして「青面金剛(しょうめんこんごう)」と呼ばれる神様と
そのお使いとされる猿を祀った「庚申堂(こうしんどう)」があります。

701年、文武天皇の時代に疫病が流行し、僧が祈祷をしていると、青面金剛が現れて「悪病を祓おう」と言って消え去ったそう。
まもなく悪病はおさまり、青面金剛が現れた日が「庚申の年」「庚申の月」「庚申の日」であったため、「庚申信仰」として広まりました。

 

●鍾馗(しょうき)
中国の民間伝承にも伝わる道教の神様。長いひげをして大きな目でどこかを睨みつけながら剣を持ち、昔の中国の役人の衣装をまとった姿で描かれます。

絵には魔除けの効果があるとされ、江戸時代の日本では五月人形として広まり、屏風や掛け軸に描かれた他、屋根の上に像をのせる風習もあったそうです。

元々鍾馗は人間で、官吏になるために「科挙」と呼ばれる試験を受けたのですが落第し、それを恥じて宮中で自殺してしまいました。
それを高祖皇帝が手厚く葬ってくれたため、恩に報いようと疫病でうなされる唐の皇帝玄宗のもとへやってきたそう。

ふせっていた皇帝玄宗は夢の中で鍾馗に会い、目覚めると病は癒えていました。
皇帝が有名な画家に鍾馗の姿を描くように依頼すると、不思議なことに夢で会ったのと全く同じ姿で描かれていたとか。

 

●角大師(慈恵大師・良源・元三大師)
日本で疫病が流行っていた994年。天台宗の僧である慈恵大師のもとにも疫病神がやってきました。
慈恵大師が病をこの指につけよと小指を差し出すと激痛が襲いますが、法力で疫病神を退散させます。

そして疫病の苦痛を身をもって知った慈恵大師は、弟子に等身大の鏡を持ってこさせ、その前で読経を唱えました。

最初は慈恵大師の姿を映していた鏡は、やがて恐ろしい鬼の姿を映し出します。慈恵大師は弟子にその姿を書き写させ、その絵を用いてお札を作りました。
そしてこの札を家の戸口に貼ると、疫病を含め一切の災厄から逃れられると示し、弟子とともに広めたそうです。

それ以来このお札に描かれた姿は「角大師(つのだいし)」と呼ばれ、厄災から逃れる魔除けの護符とされています。

 

●赤べこ
福島県の会津地方に伝わる、首が揺れる赤い牛の張り子人形。「べこ」とは方言で牛のことです。
体の赤色には魔除けの効果があり、斑点は痘を表しているといわれています。

この由来には諸説ありますが、平安時代に疫病を祓った赤い牛の伝説や、
大地震が起きて倒壊した虚空蔵堂を再建する際にどこからか現れて荷運びなどで活躍した赤い牛の伝説などがあります。

その他にも、天然痘が流行った時に、赤べこの人形を持った子供は病気にかからなかったことから、無病息災の縁起物として知られています。

 

こうして昔から伝えられている厄災除けについて調べていると、今も昔も様々な困難が人々を襲っていたのだなと、
今では普通でなくなってしまった平穏を改めて貴重に思います。

気休めではありますが、ずっと不安と戦い続ける時間から少しだけでも逃れる小話として、こうした魔除けや妖怪に目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

弊社で取り扱っている2021年のカレンダーには、先述した「赤べこ」などの縁起物を岡本肇が描くカレンダー「招運干支暦 丑」、
日本の四季の力で運気を上げる招運法を紹介したカレンダー「季節の福ごよみ」などがあります。

2021年の未来に何が待っているのか…わからないことだらけですが、カレンダーという日々を示す道具が、
少しでも気持ちを切り替えたり、生活を良くしていくきっかけのひとつになればいいなとカレンダー会社に携わる者として思っています。

 

不確かで不安な日々が続きますが、どうか皆さまご自愛ください。
無理せず、古くからの伝承とともにいつかは改善されていく未来を願いながら、少しずつ進んでいきましょう。

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